
Read this article in English »
子どもとの海外旅行は、家族にとって特別な思い出になります。
初めて見る景色、新しい食べ物、普段とは違う文化。大人にとっても子どもにとっても、旅行は刺激にあふれています。
しかし、旅行中に子どもの体調が突然悪くなることもあります。
飛行機を降りたあとに耳を痛がる。夜になって急に熱が出る。慣れない食事でお腹を壊す。ホテルで元気がなくなり、「病院に行くべきだろうか」と迷う。
日本にいれば、かかりつけ医に相談したり、近くの病院を探したりできます。しかし海外では、言葉や医療制度が違うため、小さな体調不良でも大きな不安につながることがあります。
だからこそ、子どもと海外旅行をする際には、観光プランだけでなく「もし体調を崩したらどうするか」も事前に考えておくことが大切です。
1. 旅行前に「子どもの健康情報」をまとめておく
まず準備しておきたいのが、子どもの基本的な医療情報です。
スマートフォンに以下の情報をまとめておくと、海外で医師に相談する際に役立ちます。
- アレルギー
- 持病
- 現在服用している薬
- 過去の大きな病気や手術
- 緊急連絡先
- 海外旅行保険の情報
- パスポートのコピー
可能であれば、重要な情報は英語でも準備しておきましょう。
例えば、
My child is allergic to penicillin.
子どもはペニシリンにアレルギーがあります。
My child takes this medicine every day.
子どもはこの薬を毎日飲んでいます。
といった短い文章だけでも、診察時のコミュニケーションがかなりスムーズになります。
また、インターネットに接続できない場合に備えて、情報はクラウドだけでなくスマートフォン本体にも保存しておくと安心です。
2. 子ども用のトラベルヘルスキットを用意する
旅行先でも薬局は利用できますが、いつも使っている製品が同じ名前で売られているとは限りません。
特に小さな子どもがいる場合は、家庭で使い慣れているものを持参しておくと便利です。
例えば、
- 子ども用の解熱・鎮痛薬
- 体温計
- 経口補水液や経口補水パウダー
- 絆創膏
- 虫よけ
- 日焼け止め
- 常用薬
- アレルギー用の薬
- 消毒用品
などです。
処方薬を持っていく場合は、旅行期間分に加えて、帰国便の遅延などに備えて数日分多めに準備するのがおすすめです。
大切な薬は預け入れ荷物ではなく、機内持ち込み荷物に入れておきましょう。

3. 飛行機のあとに耳を痛がったら
子どもの旅行中のトラブルとしてよくあるのが、飛行機の離着陸時の耳の痛みです。
気圧の変化によって耳に違和感や痛みが出ることがあり、特に小さな子どもはうまく説明できないことがあります。
離着陸時には、
- 水分を飲ませる
- 年齢に応じて飲み物や食べ物を与える
- あくびや飲み込む動作を促す
といった方法が役立つ場合があります。
通常は時間とともに改善しますが、強い痛みが続く、発熱がある、耳から液体が出るなどの場合は、医師に相談した方がよいでしょう。
4. 暑さと脱水症状には特に注意する
旅行中は、大人も子どもも普段よりたくさん歩きます。
さらに、夏のヨーロッパやアジアなどでは、日本とは違う暑さにさらされることもあります。
子どもは遊びや観光に夢中になると、水分補給を忘れがちです。
こまめに水分を取り、暑い時間帯には休憩を入れましょう。
以下のような症状がある場合は、脱水症状の可能性があります。
- 口が乾いている
- 尿の量が少ない
- 元気がない
- 強い眠気がある
- めまい
- 涙が出にくい
特に嘔吐や下痢がある場合は、水分を失いやすくなるため注意が必要です。
症状が強い場合や、水分を十分に取れない場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
5. 「少し様子を見る」で大丈夫な場合と、医師に相談した方がよい場合
旅行中に子どもが体調を崩すと、親としては「予定をキャンセルしたくない」という気持ちと「病院に行った方がいいのでは」という不安の間で迷うことがあります。
軽い疲労や一時的な不調なら、休息や水分補給で改善することもあります。
一方で、次のような症状がある場合は医療機関への相談を検討してください。
- 高熱や発熱が続いている
- 何度も嘔吐している
- 下痢が続いている
- 水分が取れない
- 呼吸が苦しそう
- 強い痛みがある
- 発疹が広がっている
- アレルギー反応が出ている
- 普段と比べて極端に元気がない
- 症状が時間とともに悪化している
緊急性が高い症状の場合は、現地の救急サービスを利用してください。
旅行の日程を守ることよりも、適切なタイミングで医療相談を受ける方が、結果的に早く旅行へ戻れることもあります。
6. 海外で「信頼できる医師」をどう探すか
子どもがホテルで熱を出したときに、初めてスマートフォンで「doctor near me」と検索するのは理想的とは言えません。
海外では、
「どのクリニックなら安心できるのか」
「英語は通じるのか」
「旅行者を診察してくれるのか」
「保険は利用できるのか」
といったことが分かりにくい場合があります。
だからこそ、出発前に「海外で医師が必要になった場合、どうするか」を確認しておくことが大切です。
海外旅行保険によっては、Air Doctorのようなサービスが利用できる場合があります。
Air Doctorは、旅行者が海外で現地の医師にアクセスできるサービスです。渡航先、利用可能状況、保険の補償内容によって、クリニックでの診察、ビデオ診療、場合によっては滞在先での診察などの選択肢があります。
子どもの体調が悪いときにゼロから医療機関を探す必要がないだけでも、親にとって大きな安心につながります。

7. 言葉の壁に備えておく
日本人旅行者にとって、海外での医療相談で特に不安になりやすいのが言葉の問題です。
自分の症状なら何とか説明できても、子どもの状態を正確に説明するのは難しいことがあります。
旅行前に以下のような表現を保存しておくと便利です。
My child has a fever.
子どもに熱があります。
My child has been vomiting.
子どもが嘔吐しています。
My child has diarrhea.
子どもが下痢をしています。
My child is allergic to…
子どもは…にアレルギーがあります。
My child says it hurts here.
子どもはここが痛いと言っています。
When did the symptoms start?
症状はいつ始まりましたか?
翻訳アプリも非常に便利です。旅行先の言語をオフラインで使えるようにダウンロードしておけば、通信環境が悪い場所でも利用できます。
8. ホテルに戻ったら、予定を詰め込みすぎない
子どもとの海外旅行では、「せっかく来たのだから全部見たい」と予定を詰め込みたくなるものです。
しかし、長時間のフライト、時差、暑さ、慣れない食事、毎日の観光は、子どもにとって大きな負担になることがあります。
毎日朝から夜まで予定を入れるのではなく、
- ホテルで休む時間を作る
- 移動日の翌日はゆっくりする
- 昼寝できる時間を確保する
- 予定を変更できる余白を作る
といった工夫も大切です。
「何もしない時間」を予定に入れることも、家族旅行を快適にするための立派なプランです。
9. 海外旅行保険の内容を確認しておく
海外旅行保険に加入していても、実際にどのように医療サービスを利用するのかを知らない旅行者は少なくありません。
出発前に確認しておきたいのは、
- 医療費がどこまで補償されるか
- 病院へ行く前に保険会社への連絡が必要か
- 一度自分で支払う必要があるか
- 子どもも同じ保険の対象になっているか
- オンライン診療が利用できるか
- Air Doctorなどの医療サービスが含まれているか
です。
保険証券や緊急連絡先は、スマートフォンですぐ開ける場所に保存しておきましょう。
10. 出発前のファミリートラベル・ヘルスチェックリスト
海外旅行前に、最後に以下を確認してみてください。
✔ 子どもの常用薬を準備した
✔ 数日分の予備の薬も用意した
✔ 体温計を入れた
✔ 子どものアレルギー情報を保存した
✔ 海外旅行保険の内容を確認した
✔ 保険会社の連絡先を保存した
✔ 簡単な医療英語を準備した
✔ 翻訳アプリをオフラインで使えるようにした
✔ 現地で医師が必要になった場合の方法を確認した
✔ 保険にAir Doctorが含まれているか確認した

子どもとの旅行を、もっと安心して楽しむために
子どもとの海外旅行では、すべてを予定どおりに進めることはできません。
突然眠くなることもあれば、予定していたレストランに行きたくないと言うこともあります。そして、ときには体調を崩すこともあります。
大切なのは、すべてのトラブルを防ぐことではありません。
何か起きたときに「次に何をすればいいか」を知っていることです。
薬を準備し、保険の内容を確認し、子どもの健康情報を保存し、必要なときに医療へアクセスする方法を知っておく。
それだけで、旅行中の安心感は大きく変わります。
もし海外旅行保険にAir Doctorが含まれている場合は、出発前にアクセス方法を保存しておきましょう。
使わずに帰国できるのが一番です。
でも必要になったとき、すでに頼れる選択肢があることは、家族旅行における大きな安心材料になります。
